「鬼はそと~、 福はうち~」
節分には鬼のお面をかぶって豆をまき、恵方巻きを食べてその年の幸運を願いますよね。
2022年の節分はは2月3日木曜日です。
意味を知り理解を深めることで節分をより楽しめるというもの。今回は節分をわかりやすく解説します!
◎節分とは?
節分は古来より季節の節目である立春、立夏、立秋、立冬の前日を指しますが、現在では節分というと春の節分、立春の前日を指します。
これは立春から始まる二十四節気が春の節分で一巡し、春の節分が季節の分かれ目だけでなく一年の節目(大晦日)となっているのです。
その一年の終わりに邪気や悪いものを祓い清めた状態で新しい1年を迎えるための儀式として行われるようになったのが豆まきなどの節分行事なのです。
豆まきの由来
豆まきの由来は、古代中国で大晦日に行われていた「追儺(ついな)」という邪気祓いの行事が奈良時代に日本に伝わり、鬼を追い払うための宮中行事「追儺(おにやらい)」として取り入れられました。
宮中での「追儺(おにやらい)」はしだいに廃れて行われなくなるのですが、各地の寺社が形を変えつつ受け継ぎ、庶民文化にも浸透していきました。
ではなぜ豆をまくのでしょう?
もともと日本では、穀物などに邪気を払う力があると考えられていました。とくに大豆は米と同じくらい重要な穀物として扱われていて、魔除けや霊力が込められていると考えられていたのです。だからこそ、豆をまいた場所は清められ聖域にもなるし、その豆を拾って食べるんですね。
柊鰯(ひいらぎいわし)を飾る意味
「柊鰯(ひいらぎいわし)」は焼くと強い匂いのする鰯を食べた後の頭だけをを柊の葉に刺し、「魔除け」として玄関へ飾ると鬼が嫌がって入ってこないと信じられていました。西日本では「焼嗅がし(やいかがし)」とも呼びます。
◎2022年の節分の日はいつ?恵方は?
2022年の節分の日は2月3日(木)。吉方位、「北北西」です。
節分の恵方は毎年方角が変わります。恵方は、歳徳神(としとくじん)という一年を守ってくれる神様がいる方角を指し、東北東、西南西、南南東、北北西の4方向のみです。今年は北北西を向いて恵方巻を食べましょう。
◎正しい豆まきのやり方
地域や家庭によって豆のまき方は様々ですが、ここでは一般的な豆まきのやり方をご紹介します。
豆まき用の豆は炒った大豆を桝に入れ、霊力が宿った「福豆」を使うので、事前に神棚などにお供えしておきます。神棚がなければ高い場所に置いておきます。
鬼(邪気)は真夜中にやってくるとされているので、豆まきは夜に行います。できれば家族全員がそろっているとよいでしょう。豆まきは一家の幸せを願う行事なので、一家の主人の役割でしたが、今では家族全員で豆をまくことも多くなりました。
玄関や窓などを開け、奥の部屋から順番に「鬼は外」と大きな声で唱えながら外に向かって豆をまき、鬼が戻ってこないようすぐに窓を閉めて「福は内」と室内に豆をまきます。最後は玄関までまいて家中の鬼を追い払いましょう。
豆まきのあとは、1年を無病息災で過ごせるよう自分の年齢(数え年)の数だけ福豆を食べます。
◎節分に食べるものって?
- 恵方巻
「恵方を向いて丸かじりして無言で食べ切れば、願いがかなう」と言われる恵方巻きですが、その発祥に関しては、江戸時代末期に大坂・船場で商人たちが商売繁盛や厄除けを祈願として始めたと言われています。大阪商人たちは節分の日に、当時丸かぶり寿司と呼ばれていた恵方巻を食べたそうです。
縁を切ることなく、商売繁盛の運を一気にいただく縁起物。七福神にちなんで、7種の具を使うのがお約束だそうです。ちなみに、7種の具とは、きゅうり、玉子焼き、高野豆腐、かんぴょう、しいたけ、うなぎ、桜でんぶなどです。
節分の食べ物と言えば、豆や恵方巻ですが、それ以外にも縁起の良い食べ物があります。
- イワシ
いわしには魔除けの意味があります。いわしは陸に上がるとすぐに弱ることから「弱し」とされており、庶民の食べ物で貴族の食べ物ではないことからどちらかと言うと「卑しい」食べ物です。弱くて卑しいものを食べると陰の気を消すことができることから、いわしは魔除けの食べ物となったと言われています。
都市部やマンションなどでは見かけることも少なくなりましたが、頭は飾らなくてもイワシのフライやマリネ、アヒージョなどはいかがでしょうか。
下の動画では鰯のアヒージョの作り方を紹介しています。
- くじら
くじらは大きな生き物の代表ですが、節目で大きいものを食べると縁起がよいと考えられていたので節分にはくじら料理を食べるようになりました。
- そば
旧暦で節分の日が大晦日にあたることから年越しそばの意味合いで食べるのです。
- こんにゃく
こんにゃくは「砂おろし」と言われており、大晦日や節分といった節目で体の毒素を出すために食べると良いとされています。
- けんちん汁
けんちん汁の中には大根や人参、ごぼう、里芋、こんにゃく、豆腐などいろいろな食物が入っていて身体も温まることから寒い季節の行事である節分の食べ物として定着したと言われています。なお、けんちん汁は鎌倉にある建長寺(けんちょうじ)の精進料理が由来だとか。
◎まとめ
節分とは、災厄や病気を鬼にたとえて豆で退治して新年を迎える行事でしたね。
新型コロナ(オミクロン株)が猛威を振るっている昨今ですが、こんな時こそ心の平静が必要だと思います。記事中にご紹介した鎌倉の建長寺などへ足を延ばされて、禅に親しまれてはいかがでしょうか?
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